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令和6年第1回杉戸町議会定例会施政方針及び予算編成方針

ページID:0009823 更新日:2024年2月13日更新 印刷ページ表示

令和6年第1回杉戸町議会定例会施政方針及び予算編成方針

令和6年2月13日

杉戸町長 窪田 裕之

 本日ここに、令和6年第1回杉戸町議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、御健勝にて御参集を賜り、誠に喜びに堪えないところであります。

 さて、令和6年度予算及び諸案件の御審議をお願いするにあたり、町民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜りますよう、新年度に臨む私の所信及び予算編成方針につきまして、御説明を申し上げます。

 はじめに、令和5年度を振り返ってみますと、本年元日に発生した能登半島地震では、最大震度7の激しい揺れと津波が北陸地方を襲い、甚大な被害をもたらしました。この地震により犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、今なお厳しい避難生活を余儀なくされている多くの被災者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
 また、世界に目を向けてみますと、昨年10月に始まったイスラエル軍とパレスチナ・ガザ地区を実効支配するハマスとの軍事衝突のほか、ロシアの侵攻開始から2年が経過したウクライナ情勢など、世界各地に広がる戦火と、出口の見えない人道危機に、多くの方々が胸を痛めていることと思います。
 これに加えて、地球規模で進む気候変動は、我が国においても猛暑やゲリラ豪雨等の異常気象をもたらし、大規模な風水害のリスクが高まるとともに、農作物の不作や漁獲量の減少等が懸念されています。
これらの、ウクライナ情勢や気候変動等を背景とした、エネルギー価格の高騰や物価高は、恒常的に社会経済を圧迫し、町民の日常生活や事業者の経営活動等に多大な影響を与えた年であったと痛感しているところです。
 その一方で、明るいニュースも数多くありました。WBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)では、栗山英樹監督率いる侍ジャパンが3大会ぶりの世界一に輝き、私たちに勇気と感動を与えてくれました。
 その後、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が、2回目のMVPを満票で獲得し、「夢の実現」に向かって着実に前進する大谷選手の姿は、町政の舵取りを託された私にとりましても大きな刺激となり、改めて身の引き締まる思いがいたしました。
 また、新型コロナウイルス感染症は、5月から法令上の位置づけが季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げられ、街中(まちなか)からアクリル板やパーテーションが徐々に姿を消し、少しずつではありますが、コロナ禍前の日常を取り戻しつつあります。当町におきましても、恒例のイベントである「夏まつり」や「古利根川流灯まつり」のほか、新たに「商工祭」が開催されるなど、町民の笑顔に触れる機会が増えたことを、心から喜ばしく思う次第でございます。
 そして、8月には杉戸町議会議員選挙が行われ、新たな顔ぶれの議会議員の皆様をお迎えして、私が掲げる「新しい杉戸への挑戦」を共に歩むべく、叱咤激励をいただきながら前進を続けてまいりました。

 さて、新年度を迎える私の所信といたしまして、これより施政方針について御説明を申し上げます。

 令和6年度につきましては、杉戸を更に魅力ある町とするため、第6次杉戸町総合振興計画に掲げた未来像の実現に向けた取組みと、公約に掲げた施策等を着実に進めながら、活気あるまちづくりを推進してまいります。
 まず、本年4月には、予(かね)てより整備を進めておりました旧杉戸小学校跡地にココティすぎとがオープンし、幅広い年代の方々が集い、語らう、新たな地域コミュニティの拠点が誕生いたします。ココティすぎとには、杉戸町コミュニティセンターのほか、公園や杉戸子育て支援センターを併設しておりますので、多くの若い世代の方々にも御利用いただき、中心市街地に新たな賑わいを創出いたします。
 併せて、町の玄関口である東武動物公園駅東口通り線や、私の公約でもある都市計画道路・下野久喜線の整備につきましても、関係権利者や地域住民の皆様の御理解を賜りながら、着実に事業を推進してまいります。これらの事業は、まさに未来へ向けての「投資」でありますので、中・長期的な効果として町の魅力や知名度を向上させ、町が更なる発展を遂げられるよう全力で取り組んでまいります。
 また、当面の間は、あらゆる物やサービス価格の高騰が続き、日常生活の大きな負担となることが予想されます。そのような状況の中、出産・子育て世帯の経済的負担を軽減し、未来を担う子どもたちの成長を町全体として応援するため、こども医療費や児童手当等の拡充を図ってまいります。出産・子育て世帯への積極的な支援は、移住・定住による人口増の機運を高め、町の生産年齢人口の増加による社会活動の好循環を生み出すための起爆剤でもあります。人口減少対策の一環といたしましても、子どもたちの明るい未来を応援する施策につきましては、引き続き力を入れてまいりたいと考えております。
 更には、当町の豊かな自然を守り、持続可能な地球環境を次の世代へと引き継いでいくため、令和6年4月にゼロカーボンシティを宣言し、地球温暖化対策を加速させてまいります。その一例として、公共施設の省電力化に努めるほか、再生可能エネルギーの普及に向けた支援等を引き続き実施してまいります。そのほか、身近な住環境の美化活動として、新たに住民参加型の取組みを導入するなど、第6次杉戸町総合振興計画の将来像に掲げる「みんなで育てるまち」の実現に向けて、町民の皆様が杉戸により一層の愛着と誇りを持てるよう、地域コミュニティを生かした環境政策を進めてまいります。
 また、大地震や局地的な風水害などの災害は、いつ、どこで発生するか予測し難(がた)いものですので、様々な事態を想定しながら、引き続き高い危機管理意識をもって防災対策に取り組んでまいります。特に、公共施設や道路などのインフラ機能を保全することは、安心・安全の確保に直結してまいりますので、設備の日常点検や改修に努めるとともに、万一の事態に備えて、避難所の環境整備や自主防災組織への支援等を並行して行ってまいります。
 このように、令和6年度は、町行政の責務として町民の安心・安全をしっかりと守りつつ、一方で「新しい杉戸への挑戦」を更に加速させ、辰年にふさわしい飛躍の年となるよう、全身全霊を公務に傾ける覚悟であります。

 次に、今申し上げた施政方針を実現するための、令和6年度予算編成方針を申し上げます。
 令和6年度当初予算につきましては、「新しい杉戸へ歩み出す予算」をテーマに、第6次杉戸町総合振興計画と連動した各種事業を推進したところであります。
 その結果、一般会計予算総額は、対前年度比2.7%増、過去最大規模の143億1千200万円、企業会計を含む特別会計予算総額は
 123億7千693万円となり、全会計予算総額は、対前年度比1.2%増の266億8千893万円となったところでございます。

 それでは、令和6年度の主な事業等を、第6次杉戸町総合振興計画の未来像に合わせて御説明申し上げます。 

 はじめに、未来像1「まちぐるみで子育てに関わり応援できるまち」に関するものであります。
 主に、子育てに関するものとなりますが、安心して子育てできる環境をつくるため、こども医療費の通院分について、令和6年4月より対象年齢を18歳まで拡大いたします。
 また、児童手当につきましては、令和6年10月分より、対象年齢を18歳まで拡大するとともに、多子世帯への支援を拡充し、所得制限につきましても撤廃をいたします。
 また、妊産期から子育て期にわたるまで、切れ目のない支援を提供するため、従来の子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターを一本化し、さらに機能を強化した、こども家庭センターを設置いたします。
 また、令和6年4月には、ココティすぎと内の複合施設の2階に、大型の木製遊具を備えた杉戸子育て支援センターがリニューアルオープンします。そして、杉戸子育て支援センターでは、子育て世帯の細かなニーズに対応できるよう、新たに一時預かり事業を実施してまいります。
 また、安心して出産できる環境づくりのため、低所得世帯の妊婦に対する初回産科受診料の補助を新たに始めるとともに、産後うつなどを予防するため、産後ケア事業にデイサービス型を追加し、拡充を図ってまいります。

 続きまして、未来像2「子どもたちに未来を拓く力を育むまち」に関するものであります。
 主に、学校教育に関するものとなりますが、小・中学校における学力の向上を目指し、引き続き総合学力調査やリーディングスキルテストを実施するとともに、英語検定を受験する生徒に対する受験料の一部を補助いたします。
 また、リソースルームの試験的導入箇所に、杉戸小学校、杉戸中学校の2校を追加することで、児童・生徒に寄り添った学習環境を整備してまいります。
 また、教育に係る保護者の経済的負担を軽減するために、学校給食の賄材料費の物価高騰分の公費負担を継続するとともに、新たに第3子以降の児童・生徒の給食費を無償化するための補助を行ってまいります。
 また、中学校の教員がタブレット端末を活用して採点を行うデジタル採点システムを新たに導入することで、教員の働き方改革につなげるとともに、各小・中学校に乗用草刈機を新規に購入し、児童・生徒が元気いっぱい運動できるよう、校庭の環境整備を推進してまいります。
 また、令和7年度に開校予定の杉戸南中学校の開校に向けて、校歌・校旗を制作するなど、準備作業を着実に進めてまいります。

 続きまして、未来像3「生涯を通じて学び、郷土に愛着を持てるまち」に関するものであります。
 主に、社会教育に関するものとなりますが、図書館においては、引き続き図書館まつり、ブックスタート事業、図書バッグ及び図書館利用カードプレゼント事業、ライブラリースタート事業などを実施し、本に親しむきっかけづくりを推進してまいります。
 また、図書館事業におきましては、すぎと町民大学と共同による大人の学び講座の開講、文化財事業におきましては、幸手市と共同で文化財の特別展示を行うなど、関係機関と連携した事業を展開することで、町民の知的好奇心を満たす環境づくりを推進してまいります。

 続きまして、未来像4「自らの健康を守りながら安心して暮らせるまち」に関するものであります。
 主に、健康・福祉に関するものとなりますが、手話言語条例の制定に向けた準備を進めるとともに、埼葛北地区3市2町で共同設置する地域活動支援センターを1箇所追加してまいります。
 また、県において、健康マイレージ事業に代わり、新たに歩数管理アプリや栄養・総合管理アプリを活用した健康増進事業を実施予定であることから、当町もこの事業に参加し、町民の健康増進に努めてまいります。
 また、引き続き敬老祝い品の贈呈や、シニアサロン、老人クラブ活動への支援など、町民の生きがいづくりを支援してまいります。

 続きまして、未来像5「地域がつながり、安全で災害に強いまち」に関するものであります。
 主に、防災・交通・防犯に関するものとなりますが、避難所の環境整備として、設置済の学校等を除く、全ての町立小・中学校の体育館に、空調機を設置するための準備を進めてまいります。
 また、自主防災組織における女性の視点からの防災活動を推進するため、新たに女性の防災士取得を支援してまいります。
 また、不審者等の進入を予防し、子どもの安全を確保するため、設置済の施設を除く、全ての町立幼稚園及び小学校に防犯カメラを設置いたします。
 また、交通事故や犯罪の予防のため、道路照明灯のLED化を推進するほか、引き続きスケアード・ストレイト教育技法による交通安全教育の実施や、空き家問題への対応等を継続してまいります。

 続きまして、未来像6「魅力ある産業を育み、発信できるまち」に関するものであります。
 主に、産業に関するものとなりますが、アグリパークゆめすぎとの観光・交流拠点の機能強化のため、駐車場整備や直売所拡張に向けた準備を進めてまいります。
 また、子どもたちに森林の様々な機能を実感しながら、その大切さを学んでもらうため、新たに「森林環境教育体験ツアー」を実施いたします。
 また、地元企業応援事業として、引き続き小規模事業者経営改善資金の利子補給やビジネスパワーアップ事業についての補助、更には杉戸エール飯プロジェクト特別企画を実施してまいります。
 また、創業支援事業として、空き家や空き店舗を活用して事業を開始する方を対象に、引き続き改修工事費を助成するとともに、新規創業者の家賃を支援してまいります。
 また、「杉戸町農業祭」を継続して実施するほか、令和5年度はプレ開催となりました「商工祭」を今後も実施することで、杉戸町の産業のPRを行ってまいります。

 続きまして、未来像7「機能的で自然と調和した快適なまち」に関するものであります。
 主に、都市基盤・環境に関するものとなりますが、通学路の安全確保のため、大字茨島地区の町道827号線の歩道整備をするなど、危険箇所について計画的な対策を実施してまいります。
 また、町内で唯一の駅となる杉戸高野台駅西口駅前広場につきましては、タイルの劣化が著しいことから、景観に配慮したタイル舗装修繕を行ってまいります。
 また、安全な道路環境を確保するため、大字杉戸地区の町道2級1号線などの舗装補修のほか、大字堤根地区の町道2級10号線及び大字並塚地区の町道1級11号線の道路改良工事に向けた準備を進めてまいります。
 また、町の未来への大きな投資となる東武動物公園駅東口通り線、新橋通り線及び下野久喜線といった主要事業については、引き続き着実に推進してまいります。
 また、町民生活に重大な影響を及ぼすごみ処理を安定的に実施するため、令和6年度から令和11年度の6年間の期間で、環境センター焼却施設の大規模改修事業を実施してまいります。
 また、ゼロカーボンシティを目指し、役場庁舎、すぎとピア、カルスタすぎとなどの公共施設の照明をLED化するとともに、引き続き次世代自動車や住宅用太陽光発電システム等、再生可能エネルギー普及に向けた支援を行ってまいります。
 また、環境美化に係るアダプトプログラムの導入や、令和4年度に策定した第2次杉戸町環境基本計画の周知用リーフレットを作成し、町民の環境への意識を高めるとともに、「ごみの区分・出し方分別一覧表」を更新することで、ごみの減量化やリサイクルに対する意識啓発を行ってまいります。

 最後に、未来像8「信頼される行政運営を推進するまち」に関するものであります。
 主に、行財政運営に関するものとなりますが、第6次杉戸町総合振興計画の前期基本計画が令和7年度で満了となることから、後期基本計画の策定に向けた住民意識調査等の準備を進めてまいります。
 また、令和6年4月より、ココティすぎと内の複合施設1階に、多目的室や図書室、学習室等を備えた杉戸町コミュニティセンターを開所し、各種事業の展開による町内外の人々の交流を促進し、賑わいの創出に努めてまいります。
 また、コロナ禍で休止が続いていたオーストラリア・バッセルトン市との交流事業として、訪問団が来町する予定となっています。
 また、DXの推進として、マイナンバーを活用した証明書等の交付機能を有するマルチコピー機を第三庁舎1階に設置し、窓口における待機時間の短縮を図ってまいります。
 また、議会におけるDXの推進及びペーパーレス化の実現のため、ペーパーレス会議システムを導入するとともに、議員用のタブレット端末を配置してまいります。

 以上、令和6年度の町政に臨む私の施政方針、及びこれらを実現するための予算編成方針を申し上げました。
 令和6年度は、しっかりと基礎を固めながら、新しい杉戸へと歩み出し、更なる飛躍を遂げるための予算を編成したところでございますので、町民の皆様並びに議員各位の、より一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。