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各地を転々として感じた、地元の近くが意外と心地良い
2023.11.1
デザイナー/イラストレーター
川村 佳奈さん
在宅でデザイナー・イラストレーターとして働く川村さんは、夫と3歳の息子の三人暮らし。活動拠点を10 年以上都内に構え、長野と東京の二拠点生活をしていたこともあるそうです。結婚を機に地元の埼玉県へ。2023 年に杉戸町へ移住しました。いろいろな場所で暮らしてきた川村さんが感じる杉戸町の魅力とは、どんなところにあるのでしょうか。
Q. 移住先に杉戸町を選んだ理由を教えてください。
息子が生まれたのを機に、自宅の購入を検討しはじめました。ただ、最初から杉戸町に住もうと考えていたわけではなくて、たまたま内見したお家が良くってここに決めたんです。出身は幸手市なので、隣町です。杉戸なら実家も近いし、地元の近所に住むのもいいかなって。家から最寄りの東武動物公園駅までは徒歩20 分くらい。普段はだいたい車移動です。
私は自宅でデザインの仕事をしています。グラフィックデザインやWEB デザインを経て、ひょんなことから文房具のデザインのお仕事をさせていただくことになりました。
【写真】仕事部屋には、窓から外の光が差し込みます。デザイナーの活動は、旧姓の「東出」で行っているそうです。
WEB は世界中の人に見てもらえるけれど、手に取ることはできない。その点、文房具は実際に手に取ってもらえるのがいいですね。デザインしたものが店頭に並んでいるところを見ると「うわあー!本当に売られてる!」って感動するんです。買っている人に思わず挨拶しそうになります(笑)。
Q. 実際に杉戸町で暮らしてみて、住み心地はどうですか?
とても面白いですね。私は都内で暮らしていた時期もあるし、東京と長野の二拠点生活をしていたこともあるので、都心と田舎の楽しさをそれぞれ感じているんですが、結局のところ面白い人がいれば生活は楽しくなると思っているんです。実際に杉戸に移住してみたら、イベントがあったり、そこに面白い人が集まっていたりして、引っ越してきたばかりでも意外と早く町になじむことができました。
例えば、「Cleanup & Coffee Club(通称CCC)」という、休日の朝にゴミ拾いをして、コーヒーを飲んで町の人と交流を深めるイベントに参加したら、少しずつ知っている人が増えていって、町を歩いていても「あ!CCC の時に会いましたね!」なんてことがあるんです。子どもと一緒に参加している人も結構いるので、息子と同世代の子たちとも知り合うことができて、転園したばかりの保育園で再会したんですよ。家の近所というよりも、広く地域の人たちと知り合うことができて楽しいですね。杉戸は人の魅力がすごいな、と思っています。
Q. お気に入りの場所や、よく行く場所は
「chocont(ちょこんと:杉戸町にある、おさんぽ立ち寄りカフェ)」にはよく行きます。ふらっと立ち寄れる場所があって、そこに居合わせた人たちと話すことで刺激を受けますし、気分もリフレッシュされていいですよね。普段はずっと自宅で仕事をしているので、やっぱり誰かと喋りたくなることがあるんです。
あとは道の駅の「アグリパーク(ゆめすぎと)」に行ってみたり、田んぼや川沿いを歩くのも好きですね。仕事の息抜きにコーヒーを買いに出て、そのついでに少し遠回りして散歩して帰ってきたりとか。いろいろな場所で暮らしてきましたけど、地元に近い場所での生活が意外と心地よくて、気持ちがいいんです。育った環境に似ているので、ちょっと懐かしいし、整備され過ぎていない自然が残っているのも落ち着きます。川があって、空が広くて、開放感がありますね。
【写真】杉戸町に移住する決め手になったのが、屋上のあるこのお家。「夏は屋上から花火が見えるんです。周囲に高い建物がないので、椅子に座っちゃうと視界に入るのは空だけ。これはいいぞ!って思いました」。たくさん友人が遊びに来てもいいように、扉の前にはサンダルを常備。
Q. 移住する際に不安だったことは?
引っ越してくるときに、息子が保育園に入れるかどうか分からない状態だったのですごく不安でした。仕事はあるけど、本当に預けられるのかなあ、って。それで町役場に相談に行ったら、「ここは自宅から遠いのでやめた方がいいですよ」と具体的にアドバイスしてもらえてすごく助かりました。
町役場って勝手に「お堅い職場」のイメージがあったんですが、担当してくれた方は話しやすくて、役場の雰囲気もアットホームでびっくりしましたね。
町内を歩いていて偶然役場の方と会うこともありますし、地域のイベントやコミュニティに参加されている姿を見かけたりすることもあって、すごく距離が近いことに驚いています。
Q. これから杉戸町でやってみたいことはありますか?
子どもが好きなので、子どものためのワークショップやイベントができたらいいですね。例えば、家族写真の撮影会とか。お母さんと子どもの写真って、意外と撮ってもらえる機会が少ないと思うんです。私はもともと写真を撮るのが好きですし、仕事でも少し撮影していたことがあるので、その経験を活かして「立ち寄るだけで家族写真を撮ってもらえる」みたいなイベントができたらいいな、なんて思っています。
【写真】旅行が好きで「できるだけ遠い場所に出かけていく」という川村さん。メキシコ、インドネシア、フランス、モロッコなど、さまざまな国を訪れたそう。各地の風景や色使いに魅了され、旅先で撮影した数々の記録を1 冊の写真集にしてしまうほど。