本文
ありのままこそ本来の「美」
2024.12.01
oasis plus spa 合同会社
代表・エステティシャン
酒井香織(さかい・かおり)さん
「しごとのこころ」は、小中高生に向けて杉戸町で活躍する様々な職業の方を紹介する情報紙です。今の職業に就くまでの道のりや仕事に対する思いなどを尋ね、実際のお話が聞ける出張授業の場を設けるなど、子どもたちのキャリア教育の一環として杉戸町で新しい取り組みがはじまりました。ここでは、これまでに取材した方々のお話を一部紹介していきます。
ありのままの美しさってなあに?
みなさんは「エステティシャン」という職業を知っていますか?酒井さんが日ごろどのような思いで仕事に向き合っているのか、この道を進んだ理由や夢をかなえるために大切にしてきたことなどを聞いてみました。
まずは教えて!これまでのこと
好きになったらとことん夢中!活発な少女時代
小学校1年生のときに、高知県から杉戸町に引っ越してきた酒井さん。学校から帰ると、妹とアイドルの歌を歌ったり、木に登ったりと活発な日々を送ります。
中学校ではテニス部へ入部。負けず嫌いな性格から、帰宅後も家の前で夢中になって練習に励んでいたのだそう。部活に打ち込む一方で、お母さんの営む飲食店が忙しい時は、お手伝いをする一面もありました。当時はしぶしぶでしたが、その経験が「自分のお店を持ちたい」という夢につながっていきます。
夢への一歩。エステティシャンとの出会い
高校生になって進路に迷っていた酒井さん。あるとき仕事を紹介する情報誌で、「エステティシャン」という職業を知ります。興味がわいて見学に訪れると、エステティシャンの手によってお客さんの全身が美しくなっていく様子に大感動。「こんな仕事があったなんて! 」と19歳で美容の道へまっしぐら。あこがれて始めた仕事でしたが、来る日も来る日も先輩の手伝いばかりで「辞めたい」と思うことが増えていきます。そんな酒井さんをはげましてくれたのは、看護師をしている中学時代からの大親友。彼女とは家族のように仲が良く、仕事に後ろ向きな酒井さんを心配してくれていました。
大親友の存在と進むべき道
ところが、そんな親友が20歳のときに突然の事故で帰らぬ人となってしまいます。お墓の前で深い悲しみに暮れる酒井さん。お寺の住職から「彼女の分も生きるんだよ」と声をかけられました。看護師として尽くしてきた彼女を思い出し、「自分は『美』の分野で人に尽くそう!」と心が定まります。それからはひたむきに仕事に取り組み、責任ある立場を任されるまでに。人一倍がんばる一方で「もっと人に寄り添うエステがしたい…」見た目の美しさや仕事の成果よりも相手に合ったケアをしてあげたいという思いが強くなっていきます。そして酒井さんは25歳のときに独立を決意。
自分のお店をもってからのこと
「夢ノート」が近道に
部屋を借りて開業したものの、思うような仕事ができずに悩んでいた酒井さん。先輩に相談すると「夢ノート」を作ることをすすめられました。叶えたい夢や時期などを書き出すことで目標を定め、自分の理想の未来を描くものです。酒井さんは「35歳までに美容専門のビルを建てる」という夢を書きました。そのためにさまざまな課題を乗り越えて、エステサロンと美容室、飲食店が入った理想のお店を構えることができたのです。
【写真】2004年に1店舗目をオープン。当時の1Fは美容室と飲食店で、2Fがエステサロンでした。現在2Fのサロンは移転し、酒井さんの事務所として使用中
新しいマッサージを学ぶ
エステティシャンとしてあらゆる技術を学んできた酒井さん。特に大切にしているのは、インドネシアのバリ島で習得したオイルマッサージ。バリではオイルで体調を整えるのが日常的で、美容よりも治療に近い感覚なのだそう。当時の日本では受けられる所が少なく、最高の技術を求めて現地を訪ねました。粘り強く交渉を重ねて、ようやく学べることに。「美の分野でケアをしたい」 ——酒井さんのあきらめない心が道を開きます。
【写真】身体の不調を整える酒井さんのオイルマッサージは、お客さんに大人気
「美」は見た目じゃない
バリ式のマッサージを学び、美しさや健康を保つには、もともと持っている 「自然に治す力」を引き出すことだと知りました。酒井さんはどんな時も“美とは力なり”を信念にかかげています。美しさは見た目ではなく、「ありのまま」の自身を大切にケアし続けることで本来の「美」が現れる— 。そのお手伝いが私たちの仕事だと語ります。酒井さんが夢に描いたサロンには、今日も本当の美しさを求めるお客さんでにぎわっています。
※【自然に治す力】……「治癒力」とも言います。人間や動物に本来そなわっている働きで、薬を使わず自然に治そうとする機能のこと。
【写真】相手の話をじっくり話を聞き、体調や希望に合わせて、ベストな提案をしていきます
エステティシャンのお仕事、違いはなあに?
エステでは身体を整えるだけでなく、美しさも求められます。エステティシャンと似たような身体をケアする職業がありますが、他のお仕事とどう違うのでしょう?それらの種類と違いをご紹介します!
▼エステティシャン:美容の専門的な知識と経験が必要。外見の美しさを引き出す顔や全身のケア、脱毛など。
▼セラピスト:心身を整え、リラクゼーションや癒しが中心。アロマやカラーセラピー、リンパマッサージなど。
▼整体師:全身の力を使ってもんだりほぐしたりしながら、骨盤や背ぼねのズレを正します。
▼マッサージ師:手や指で筋肉のコリや緊張をほぐし、体の疲れを和らげます。国家資格が必要。
▼美容医師:美容皮膚科や美容外科など医師免許が必要。薬の処方と注射や手術なども行えます。
▼美容師:カットやカラー、パーマなど髪のお手入れを行う仕事です。美容師免許が必要。
※ここにあげているものは一例です。ほかにも、ツボを抑えて治療する「はり師」・「きゅう師」などの資格もあります。
さらに詳しい情報は各専門分野へお問い合わせください。
\ エステティシャンから学ぼう!/
おうちでできるセルフケア術
自分で行うケアを「セルフケア」と言います。知っておくと助かるお手入れの方法を酒井さんに教えてもらいました!
▼ニキビ対策のコツは保湿をしっかり
中学生くらいからだんだんとニキビに悩まされます。これを防ぐために、汗をかいたら水でやさしく洗い流しましょう。洗顔後は保湿も大切。大人が使うクリームは刺激が強い場合もあるので、自分に合ったものを選んでださいね!
▼筋肉痛はムリしないでやさしくケア
筋肉痛は人によってちがいますが、炎症が起きている場合もあります。もんだりせずに、やさしくさする程度にしておくといいでしょう。痛みが落ち着くまでそっとしておくのが一番です。痛みが軽い場合はストレッチも効果的ですよ。
▼ストレートネックを防ぐかんたんケア
同じ姿勢で長時間画面を見ると「ストレートネック」になり、体に不調が出る場合があります。首が疲れたらぐるぐる回さず、上下や左右にゆっくり動かしましょう。はげしく回すと神経に負担がかかるので、逆に悪くなることもあるのでご注意を。
▼日焼け止めはこまめに春から秋まで
最近の日差しは強くて危険。大人になってシミの原因にもなるので、こまめに日焼け止めを塗ることをオススメします。特に夏は運動時や外出の前にも塗り直せるとさらに安心ですね。一年で紫外線が多いのは、春から秋にかけて。
\ もう少し教えて!/
1階のカフェのこと
- 夢をカタチにした2店目のお店
2年前に新しいお店がオープン。2階で身体のケアを行い、1階は身体にやさしいごはんやスイーツを提供しています。夜は静かにお酒を楽しめるお店としても。 - 食べることで美と健康を応援!
無農薬野菜のサラダなど、自然の力で健康をサポート。身体の中からおいしく、美しく、健康に♪ただいまランチ営業に向けて準備中! - 身体のことを考えたロースイーツ
小麦粉や卵、砂糖を使わず、火を通さないで作るお菓子です。グルテンフリーでアレルギーの方にもうれしいスイーツ!(※アレルゲン:ナッツ)
これから大人になって夢をカタチにするみなさんへ
次の夢は、10年後に海辺に泊まれるエステ施設を建てること。いくつになってもなりたい自分を書き出すことで、自然に歩むべき計画を立てやすくなるんです。もし道の途中で迷うことがあっても大丈夫! どこからでも方向は修正できますから。可能性いっぱいのみなさん、ぜひ夢を書き続けてくださいね!
お話のまとめ
酒井さんは「夢ノート」に書き込んだことを次々に実現してきました。でも書くだけでは夢は叶いません。酒井さんを動かす力は、もちまえの明るさと一度決めたら突き進む粘り強い忍耐力。酒井さんを見ていると、そのあきらめない姿にこそ美しさが映るのだと感じました。現在2店目のほかに、新たな事業も経営する酒井さん。今もなお「夢ノート」は続きます!
\酒井さんはココにいます!/
【 オアシス・プラス・スパ 】
所在地: 埼玉県北葛飾郡杉戸町内田2-6-14
営業時間:10時00分~20時00分
電話:0480-32-6140
定休日:月・火曜日
外部リンク:https://oasis-spa.jp<外部リンク>
※本サイトでは情報紙「しごとのこころ」で紹介された内容の一部をWeb用に編集して掲載しています。
令和6年12月発行 / 発行元:杉戸町人権・男女共同参画推進課 / 制作:mARu design room
【出張授業の様子】
町では町内を中心に活躍する働く女性を取り上げ、情報発信しています。あわせて希望する町内の小学校に、性別にとらわれることのない進路・職業選択につなげてもらうため、しごとのこころで紹介した方による「出張授業」を開催しました。
【出張授業を受けた児童からの声】
「夢ノートや自分年表を書いてみたいと思いました。」「あきらめずに続けることが大事だとわかりました。」「将来の夢はまだわからないけど、今やれることにどんどんチャレンジしていきたいです。」など前向きな感想が寄せられました。