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小さな生命を育てる中で
校長 稲毛 保典
1学期も残りわずかとなりました。どの学級も学期末のゴールに向かって大忙しです。その中でも各学年の子供たちは生活科や理科の学習で小さな命を大切に育てています。
毎日水やりをし、ぐんぐん伸びる朝顔の成長を喜ぶ1年生。野菜が実をつけることや色の変わっていく様子を楽しんでいる2年生。蝶の幼虫に毎日新鮮な葉っぱを与え、成長し、さなぎになり蝶になっていく様子を食い入るように見ている3年生。ヘチマを育て、自分の身長と、どんどんツルを伸ばすヘチマを比較しながら学んでいる4年生。メダカの産卵から卵の中の変化を観察し、生命の誕生を喜ぶ5年生。ジャガイモの葉を使って光合成のしくみを学ぶ6年生。それぞれの学年が小さな生命を大切に育て、命の大切さを知り、発見や感動を繰り返しながら学びを充実させています。
その中で、2年生の男の子が「畑の野菜が病気になっちゃった。」と私に伝えてきました。よく気が付いたねと伝えると、「白い点が葉っぱについていて、何だろうと思って調べたらうどん粉病とわかったんだ。だから、僕は薬をかけてあげたいんだ。」と言ってきました。小さな変化に気が付き、それを調べたことにとても感心しました。その後、私から「治す薬は危険なものもあるから、大人とやらなければならないね。」と言うとその子は、「大丈夫、野菜にも人にも安全なものだから。うどん粉病は酢に弱いことを調べて分かったから、スプレーに酢を入れて水で薄めてかけてあげるんだ。」と教えてくれました。
この言葉に、私はとても感動しました。毎日大切に育てているから小さな変化にも気が付くことができたのだと思います。そこから疑問をもったことを調べ、解決策も調べ、さらにみんなに安全な方法も調べたことに驚きました。「すごいね。野菜を守ろうとよく調べてくれたね。ありがとう。」とたくさん褒めました。満面の笑みで自信に満ちあふれており、その姿はとても頼もしく見えました。そして、休みの日にかけてくれました。収穫時の笑顔が楽しみです。
この時、大人が思っている以上に子供たちは自分たちで解決しようと思う気持ちを強く持っていると思いました。そして、大人を超えるほどの立派な考えや行動となった瞬間でした。この姿こそ、本校が目指している「自立した学び」です。その思いを高めるためには、ある程度子供に任せ、それをサポートすることだと思います。学校教育においても「なんでだろう」「どうしてだろう」「どうすればいいのかな」を子供たちに投げかけ、「やってごらん」と子供たちに任せ、自分たちで考え行動する力を育んでいくことを大切にしております。
きっとこの男の子は、家庭での経験もあったのかもしれません。それを活用しながら興味を持ったことを追求できたのかもしれません。子供たちに自立して学んでいく力を育むためには、学校教育だけでなく、家庭での経験も大きな力となります。これからも学校と家庭で『協働』し、子供たち一人一人が自立した学びに向かえるように共に育んでいきましょう。