
公共施設予約システム マイナンバーカード 新型コロナワクチン接種 ふるさと納税 子育て ごみ 町内巡回バス
本文
令和7年2月10日
杉戸町長 窪田 裕之
本日ここに、令和7年第2回杉戸町議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、御健勝にて御参集を賜り、誠に喜びに堪えないところであります。
さて、令和7年度予算及び諸案件の御審議をお願いするにあたり、町民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜りますよう、新年度に臨む私の所信及び予算編成方針につきまして、御説明を申し上げます。
はじめに、令和6年を振り返りますと、元日発生の能登半島地震では、北陸地方を震度7の激しい揺れが襲い、私たちをお正月の団欒(だんらん)のひと時から現実に引き戻しました。その後も、8月には宮崎県日向灘(ひゅうがなだ)沖地震を起因とする「南海トラフ地震臨時情報」が初めて発表されたほか、9月の奥能登豪雨では、復旧・復興途上の被災地が再び甚大な被害に見舞われました。当町においては、能登半島地震による被災地支援のため、1月から3月に渡り、埼玉県と県内自治体職員でつくる支援チームの一員として、本町職員6名を派遣し、避難所運営、罹災(りさい)証明書発行、応急給水等の業務に携わりましたが、改めて、私たちの地域にも予測困難な災害が起こり得ること、いつか来(きた)る災害に対する備えが必要であることを再認識させる出来事でした。
次に、世界に目を向けますと、不安定な世界情勢等を背景とした、エネルギー価格の高騰や物価高は、依然として私たちの日常生活に大きな影響を及ぼし、長らく続く円安傾向や、乱高下する株式市場など、社会経済の動向においても、不安が残る一年であったと感じております。一方、喜ばしい出来事として、10月、日本原水爆被害者団体協議会が、長年の核兵器廃絶を求める運動が評価されてノーベル平和賞を受賞されました。これは、核廃絶の決意と平和の尊さが世界に認められたものとして、平和都市宣言をしている当町としても感動いたしました。
また、嬉しいニュースも数多くありました。7月から8月にフランス・パリで開催されたオリンピックにおいて、Team Japanのメダル獲得数は海外開催の五輪では過去最多となり、選手たちの栄光と挫折の物語、そのパフォーマンスと感動が世界中の人々の心に届けられました。また、8月から9月に開催されたパラリンピックでは、パラアスリートの無限の可能性やパラリンピックの価値が体現されました。そして、大リーガーの大谷翔平選手は、前人未到のホームラン50本、50盗塁を達成し、世界の大舞台(おおぶたい)で活躍するその雄姿に、国内外を問わず多くの人々が称賛の声を上げました。
さらに、8月に北部九州で開催された全国高校総体(インターハイ)では、我が町の昌平高校男子サッカー部が全国制覇の偉業を成し遂げました。全国大会出場の経験を積み重ね、辿り着いたこの功績は、当町にとっても偉大な軌跡となりました。
そして、当町におけるトピックとしては、旧中央公民館とその周辺エリアに「ココティすぎと」が新たな地域コミュニティの拠点としてオープンしました。多世代が憩い利活用できる公共空間として、杉戸夏まつりや古利根川流灯まつり、商工祭のほか、官・民の枠を越えた多種多様な企画と連携を図りながら、更なる魅力の創出に努めております。また、町の玄関口である東武動物公園駅東口通り線の整備や、私の公約でもある都市計画道路・下野久喜線も、関係者の皆様の御協力を賜りながら、着実に前進を続けております。
このほか、杉戸町を取り巻く情勢の中で、町民の皆様が描いた「第6次杉戸町総合振興計画」に掲げた8つの未来像の実現と、健全な行財政運営を基軸としながら、各種事業を着実かつ迅速に執行してまいりました。
さて、新年度を迎える私の所信といたしまして、施政方針について御説明を申し上げます。
令和7年度につきましては、町民の皆様から笑顔が生まれるまち、町内外の方々から選ばれるまちとするため、第6次杉戸町総合振興計画に掲げた未来像の実現に向けた取組みと、私の公約に掲げた施策等を着実に進めながら、新しい杉戸へのまちづくりを推進してまいります。
まず、町のシンボルロードである東武動物公園駅東口通り線については、今まさに生まれ変わろうとしています。安心・安全で快適な交通環境の創出、中心市街地の活性化、周辺エリアの価値向上が図られるよう、早期整備を目指してまいります。また、私の公約でもある都市計画道路・下野久喜線の整備については、他自治体との交通ネットワークの強化、利便性等の向上を図るとともに、産業の持続的な発展及び活性化等を目指すものです。これらの事業は、中・長期的なビジョンとして町の魅力や知名度を向上させ、町が更なる発展を遂げられるものとして、関係権利者や地域住民の皆様の御理解を賜り、着実に事業を推進してまいります。
次に、町のランドマークであるアグリパークゆめすぎとの観光・交流拠点としての機能を強化してまいります。地元農作物や町推奨品の直売所や食堂、季節野菜の収穫体験、バーベキュー場の運営など、農業をテーマとした事業を多面的に展開するこの施設において、今まで以上に農業振興と地域活性化の点で相乗的な効果を発揮させるため、老朽化した屋根外壁の改修や直売所拡張を通して施設機能の維持・強化を図ってまいります。これにより、農業振興・観光振興を通じた地域経済の活性化、町の知名度向上、移住・定住促進等にもつなげてまいります。
最後に、私たちの良好な生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るため、環境センター焼却施設の大規模改修を進めてまいります。安全で安定したごみ処理の継続と適正な廃棄物の処理に努めることはもとより、「長寿命化総合計画」に基づく大規模改修工事の実施、並びに施設保全を推進し、環境センターの性能水準の維持及び延命化を図りながら、町の良好な生活環境の保全をしてまいります。
このように、令和7年度は、第6次杉戸町総合振興計画前期基本計画の最終年度でもあり、そこに掲げた8つの未来像の実現に向けた各種施策を通じて、町行政の責務として町民の暮らしと安心・安全を守ってまいります。また、私の公約についても、巳年にふさわしく「これまで努力してきたことが実を結ぶ年」となるよう、全力を尽くす覚悟でございます。
次に、今申し上げた施政方針を実現するための、令和7年度予算編成方針を申し上げます。
令和7年度当初予算につきましては、「みんなが住みたいと思える町にする予算」をテーマに、第6次杉戸町総合振興計画と連動した各種事業、特に、町民の安心・安全の確保、そして町の未来の発展につながる事業を力強く推進したところでございます。
その結果、一般会計予算総額は、対前年度比14.3%増、過去最大規模の163億5千800万円、企業会計を含む特別会計予算総額は124億1千11万3千円となり、全会計予算総額は、対前年度比7.8%増の287億6千811万3千円となったところでございます。
それでは、令和7年度の主な事業等を、第6次杉戸町総合振興計画の未来像に合わせて御説明申し上げます。
はじめに、未来像1「まちぐるみで子育てに関わり応援できるまち」に関するものであります。
主に、子育てに関するものとなりますが、町立保育園・幼稚園に対して実施していた作業療法士の巡回訪問を、新たに町内の私立保育園・幼稚園にまで拡大することで、発達障がいや虐待の可能性を早期発見し、ケースに応じた適切なサービスにつなげられるようにしてまいります。
また、ヤングケアラーに関するチラシを新たに作成し、町内の小学生から高校生に配布することで、ヤングケアラーについての理解を深めるための啓発をしてまいります。
また、これまでの3か月児健診よりも前の段階である1か月児健診に対する新たな助成を開始することで、発育状況の早期把握、個々の発育状況に応じた支援につなげるものでございます。
続きまして、未来像2「子どもたちに未来を拓く力を育むまち」に関するものであります。
主に、学校教育に関するものとなりますが、今年4月には、町にとって高野台小学校以来の新校である杉戸南中学校が誕生します。そこで、生徒の安全な登下校に向けて、通学路の整備やスクールバスの運行により、教育環境の充実に努めてまいります。
また、児童・生徒1人1台のタブレット端末を全面的に更新し、最新のものとすることで、ICTを活用した授業をさらに推進し、未来につながる資質・能力を育成してまいります。
また、少人数支援室を拡充し、これまでの杉戸第二小学校、杉戸小学校、杉戸中学校に加え、杉戸南中学校にも新たに設置し、児童・生徒一人ひとりに寄り添った学習環境を推進してまいります。
また、育ち盛りの子どもたちに質と量の充実した給食を提供するため、杉戸農業高等学校との包括連携協定による学校給食の地産地消を推進するほか、賄材料費の物価高騰分の公費負担を継続し、教育に係る保護者の経済的負担の軽減に努めます。また、第3子以降の児童・生徒の給食費については、対象児童に対し、申請不要の免除方式へ制度を変更し、保護者の手続きの負担を軽減してまいります。
続きまして、未来像3「生涯を通じて学び、郷土に愛着を持てるまち」に関するものであります。
主に、社会教育に関するものとなりますが、図書館の館内環境の改善のため、図書館部分の空調設備の改修を実施してまいります。また、図書館が開館20周年を迎え、図書館まつりも20回目となることから、特別講演を企画した図書館まつりを開催するほか、引き続き、ブックスタート事業、図書バッグ及び図書館利用カードプレゼント事業などを実施し、図書館の魅力向上に努めてまいります。
また、文化財に対する知識や関心を深めるため、引き続き、文化財や歴史に関する講演会を実施するとともに、文化財特別展示を実施してまいります。
続きまして、未来像4「自らの健康を守りながら安心して暮らせるまち」に関するものであります。
主に、健康・福祉に関するものとなりますが、令和7年度に予定されている手話言語条例の制定に合わせて記念イベントを実施するほか、障がいのある方など歩行が困難な方の駐車区画の適正利用を促進するため、主要な公共施設に案内看板を設置し、障がいや障がい者に対する理解を深めてまいります。
また、成年後見が必要となった方に適切な支援ができるよう、成年後見制度利用促進協議会や成年後見中核機関を新たに設置してまいります。
そして、医療に関するものとしましては、特に高齢者を中心に激しい痛みや痒みを引き起こすおそれのある帯状疱疹について、ワクチンの定期接種が始まりますので、遅滞なく開始するとともに、がん患者が自分らしく日常生活を送ることができるための支援として、ウィッグや胸部補正具といったアピアランスケア用品の助成を新たに実施してまいります。
そのほか、第2期健康増進計画・食育推進計画策定の準備としてアンケート調査を実施し、同調査の中で、地域医療体制や病院誘致に関するニーズ調査を実施してまいります。
また、高齢者の生きがいづくりとして、引き続き、敬老祝い品の贈呈や、シニアサロン、老人クラブ活動への支援を実施してまいります。
続きまして、未来像5「地域がつながり、安全で災害に強いまち」に関するものであります。
主に、防災・交通・防犯に関するものとなりますが、避難所の環境整備として、町立小・中学校の7つの体育館に、空調機を設置してまいります。夏休み頃より順次設置工事を着工し、年度内に設置が完了する見込みとなっております。
また、交通事故や犯罪の予防のため、道路の路面表示の修繕、防犯灯の維持管理、そして道路照明灯のLED化を推進してまいります。
また、快適な住環境・生活環境の確保により、町民が安心して暮らせるようにするために、従来の耐震診断及び耐震改修工事の助成制度に代わって、新たに住宅リフォーム工事の助成を実施するほか、相続人のいない空き家について、相続財産清算人の活用により、空き家の解消を図るなど、空き家対策を推進してまいります。
続きまして、未来像6「魅力ある産業を育み、発信できるまち」に関するものであります。
主に、産業に関するものとなりますが、アグリパークゆめすぎとの施設老朽化対策としての屋根・外壁の改修工事にあわせて、観光・交流拠点の機能強化のための直売所の拡張工事などを実施することで、更なる来場者の増加だけでなく、収益の向上にもつなげてまいります。
また、地元企業応援事業として、小規模事業者経営改善資金の利子補給や、事業承継に取り組む事業者の支援のため、ビジネスパワーアップ事業の拡充を行うとともに、創業支援事業として、空き家や空き店舗を活用した事業者に対する支援のほか、創業支援強化事業や創業塾を引き続き実施してまいります。
また、「農業祭」や「商工祭」を引き続き開催し、町の農業、商工業の魅力を町内外にPRしてまいります。特に、農業祭においては、(仮称)東日本ご当地そば祭りを同時開催し、杉戸産そばの提供を行い、おいしさや魅力を観光資源として発信するとともに、杉戸産そばの消費拡大を図ります。
続きまして、未来像7「機能的で自然と調和した快適なまち」に関するものであります。
主に、都市基盤・環境に関するものとなりますが、杉戸高野台駅西口駅前広場につきましては、カラーアスファルトを利用した歩道の全面舗装補修を2カ年に分けて実施し、利用者の安全確保につなげてまいります。
また、安全な道路環境を確保するため、杉戸1丁目地内の町道2級20号線などの舗装補修、大字才羽地内の町道1級11号線上にある44号橋の補修工事を実施するほか、杉戸南中学校の通学路安全対策として、大字堤根地内の町道2級10号線道路改良工事を実施してまいります。
また、町の交通網整備として、東武動物公園駅東口通り線については、道路整備事業を継続するとともに、周辺地区を官民連携で有効活用していくための事業を進めるほか、都市計画道路下野久喜線については、令和6年度に着手できなかった詳細設計を改めて実施してまいります。
また、南側水路につきましては、大字下高野地内の危険個所の改修工事の準備として、設計等を実施するほか、同じく大字下高野地内において水の滞留を防ぐための補修工事を実施してまいります。
また、環境に関するものとしましては、クビアカツヤカミキリによる樹木被害拡大防止策を実施することで、町内の緑の環境の保全に努めるとともに、町の生活環境保持のため、生活排水処理基本計画を含む一般廃棄物処理基本計画を更新するほか、ごみ出しに関するルールを外国人が理解しやすくなるよう、ごみ分別アプリに、新たに英語と中国語を追加してまいります。
また、町民生活に重大な影響を及ぼすごみ処理を安定的に実施するため、引き続き、令和11年度までの期間で、環境センター焼却施設の大規模改修事業を実施してまいります。
また、ゼロカーボンシティの実現に向け、次世代自動車や住宅用太陽光発電システム等、再生可能エネルギー普及に向けた支援を引き続き実施してまいります。
最後に、未来像8「信頼される行政運営を推進するまち」に関するものであります。
主に、行財政運営に関するものとなりますが、令和7年度で計画期間満了となる第6次杉戸町総合振興計画の前期基本計画に引き続くものとして、後期基本計画を策定してまいります。
また、将来の有権者となる若者に対して選挙に関する興味や関心を持ってもらえるよう、実際の投票用紙や投票箱を使用した投票を予定するなど、小・中学校の児童・生徒に向けた選挙啓発事業を実施してまいります。
また、議会だよりのカラーページ数を増やすことにより、誰もが読みやすく、また、興味を持っていただけるような掲載内容への刷新を図り、思わず手に取って読みたくなる議会だよりを目指してまいります。
また、Dxの推進として、コンビニ等に設置されているマルチコピー機において、現在、マイナンバーカードを活用して、住民戸籍関係の証明書の交付ができるようになっていますが、これに加えて、新たに税関係の証明書の交付ができるようにします。その他、GIS機能を持ったデジタル住宅地図を導入することで、窓口での対応時間の短縮に努めるほか、介護認定審査会用として新たにタブレットを導入し、資料のペーパーレスやオンライン会議を実施することで、介護認定の円滑化に努めてまいります。
以上、令和7年度の町政に臨む私の施政方針、及びこれらを実現するための予算編成方針を申し上げました。
令和7年度は、我が町政の集大成ともなる当初予算でございます。「新たな杉戸への挑戦」を掲げてこの方、ひたむきに助走し続け、いよいよ未来の発展につながる予算を編成したところでございますので、町民の皆様並びに議員各位の、より一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。